ピロリ菌について
前回のノーベル賞を受賞したピロリ菌の発見と治療法の確立ですが、その研究を最初にしたのは日本人である事はあまり知られていません。
しかも、その研究はなんと1919年の昔々の事です。
その研究をやった、小林六造は胃酸の強いネコから取った菌をウサギに移植させた結果、胃潰瘍が起きたと発表しました。
また同時にその治療法も研究し、抗生物質で除菌、殺菌ができることも確かめていました。
それは、何と画期的で勝れた研究だったのでしょうかね。
これが現在では、最初のピロリ菌の発見だとされています。
しかし、当時の学界では「強い胃酸の中で生きられる菌は存在しない」事が通説であり、小林の研究は学会からは黙殺されてしまいました。
1954年になっても、更にエディ パルマーは1000例を超える生険から胃の中に細菌は存在しないと、胃内螺旋菌の存在を否定しました。小林六造の研究の否定をして、この研究が通念になりました。
しかし、1975年スティヤーは胃潰瘍患者の80%に螺旋菌を発見、1079年にウォーレンも胃粘膜にもぐりこんでいる螺旋菌を発見、1982年マーシャルが初めて培養に成功しました。
63年も経って、やっと小林六造の研究が認められたという事になります。
何と、アカデミズムの壁の厚い事・・・・!!
1980年から抗生物質による胃潰瘍の治療がスタートし、2005年にその功績によって、ノーベル賞生理学・医学賞がマーシャル教授とウォレン医師に授与されました。
私も、音楽大学の学生時代に胃潰瘍を発病して以来、持病となってしまった胃潰瘍に悩まされながら、延々と30年以上も、胃潰瘍の薬を飲み続けながら、胃痛に堪えながら、生活をしていたのですが、1998年(53歳)になった時に、腰痛で入院した近所の個人病院で、当時は未だ最先端の治療であったピロリ菌根絶のための抗生物質による治療をやって以来、その後は、ピタリと胃潰瘍は治ってしまい、胃の痛みは再発してはいないのですよ。
まあ、それでも時々は、神経性の胃炎には、あいも変わらず悩まされてはいるのですがね・・・。
こればっかりは、どうもね・・・・???
(バックグラウンドの写真はヘリコバクターピロリの顕微鏡写真です。)